2018/01/08 10:00
腸の中には、空気を嫌う嫌気性細菌と好む好気性細菌が生息しています。
とくに嫌気性細菌が作る物質が病原体に作用し抵抗力となります。
嫌気性細菌であるビフィズス菌、乳酸菌などが、
酪酸、プロピオ酸、酢酸といった短鎖脂肪酸という発酵物質を作り出し、
腸内を酸性に保ち、病原菌を抑制します。
特に酪酸は、癌細胞に入り込みアポトーシスを誘発することから、
大腸がんの予防に期待がもたれています。
また、プロピオン酸は、
脂肪やコレステロールの合成を抑制する作用があり、
酢酸は腸内を酸性をにする効果があります。
つまり大腸の抵抗力は身体の抵抗力と言えるのです。
抵抗力が強いかどうかは、
酪酸をはじめとする短鎖脂肪酸の量が多いかどうかということになります。
腸内細菌の餌=栄養素が豊富に大腸まで届いていれば、
腸内細菌の塊=腸内細菌叢が活発になり、栄養素を分解し、
発酵することで酪酸などの短鎖脂肪酸を作り、抵抗力は高まります。
胃や小腸で消化されにくい食物繊維、デンプン、オリゴ糖、乳糖は、
腸内細菌叢の餌となり、酪酸、プロピオ酸、酢酸が作られ抵抗力となり、
同時に、プロピオ酸、酢酸は腸壁から吸収され門脈を通って肝臓へ送られます。
肝臓へ送られない酪酸は、そのまま大腸の細胞・粘膜の増殖エネルギーとなります。